帝王切開だって赤ちゃんの扉
2015年11月に出産して初ママになったマホさんの出産体験談です。
◇自己紹介◇
37歳 会社員(産休、育休中)
結婚1年目
初産
東京都内の大学病院
当初の分娩予約 無痛分娩
予定日 2015年11月14日
出産日 2015年11月17日
2015年11月17日3:32am 第一子となる娘を緊急帝王切開術にて出産しました。
出産は最後まで何が起こるかわからないといいますが私もまさに最後の最後で母体と赤ちゃんにトラブルが生じました。
こんな人もいるんだなとこれから出産する方へ少しでも参考になれば幸いです。
◇臨月の体調管理◇
妊娠後期は血圧が上がりやすく、体重コントロールも最終段階です。
散歩好きの夫と週末や時間ができた平日夜はデートのつもりで5キロ、10キロとゆっくり会話をしながらウォーキングしていました。臨月でも順調ならこのくらいの運動は可能なのですね。
リュックの中に母子手帳、破水用のバスタオル、飲み物、行動食、タクシーや親の電話番号のメモ(携帯が壊れても番号がわかるように)を持参し万全の体制で夫と2人で行動しました。
確かに体力はつきました。体重は変に増えず、よかったです。
夫がいたので夜でも安心して歩けました。
◇緊急帝王切開の経緯◇
出産前日11月16日、14日の予定日を2日過ぎても何の兆候もなく、胎動があるだけで時間だけが過ぎているので、通常通りの検診に行きました。
予定日を過ぎての検診は心音の確認があるみたいでお腹に機械をつけて測定、すると医者から今すぐ入院しましょうと言われました。心拍が下がり赤ちゃんが苦しいサインをしてるとのこと。最悪の事態ではないけれど赤ちゃんの様子が気になるのでと着の身着のまま入院となりました。夫がすぐにかけつけてくれたので安心でした。
病室に入っても心音の機械はつけたまましばらくすると、突然警告音が鳴り響きました。医者2名、助産師4名が小走りでやってきてベッドを取り囲み、酸素!エコー!と医療ドラマのワンシーンみたいにざわついていました。
急に怖くなって泣いてしまいました。何が起きているのかわからず、先生達も焦ってるし。。
しばらくして赤ちゃんが苦しんでると言われ、羊水が想定で300mlくらいしかなくなってて大変危険なこと、羊水がないので臍の緒を守れる手段がないこと、案の定赤ちゃんが臍の緒を踏んでしまっていること、急な血圧上昇、など説明されもう少し様子をみてお産の方法考えて提案させて欲しいとのことでした。
無痛分娩の予定でしたがこの時点で何となく帝王切開なのかな?と思い始めました。
夕方以降23:00過ぎても赤ちゃんは苦しんでいる為、医者からは最後の提案として緊急帝王切開を言われ行うことになりました。
◇緊急帝王切開への気持ちの切り替え◇
私は怖がりで今すぐ深夜にお腹を切る事にかなりの抵抗があったのですが、帝王切開の事実は変わらないので赤ちゃんの気持ちになってみることにしました。
妊娠期間中全ての検査を教科書どおりパーフェクトに成長してくれた我が子への感謝の気持ちとして、すぐに苦しみを取り除いてあげるのが親としてすべきことではないかとだんだん思えてきて、手術をする決断をしました。
この決断に至るまでに1時間半かかり、たくさん泣きました。
帝王切開経験者の友達と親と夫と相談し不明なことを全て医者に質問し、納得してから気持ちを切り替えたのでした。ここが1番辛かったです。
◇帝王切開◇
顔がわかる助産師が特別に?手術につきそってくれ、今何をしてるのか解説しながらそばにいてくれたので結果的には怖くありませんでした。下半身麻酔なので助手の人とは会話ができます。
(次からは何の手術でも多分怖くないです。メスでお腹を切るって想像より平気で騒ぐほどのものではなかったです(笑))
麻酔が効いて5分で産声をあげました。なんともあっさり。。後の処理に30分ほど要します。
(因みに羊水は300mlどころか完全になくなっていたようです。私の腎臓が妊娠で疲れてしまい最後の最後に血圧が急激に上昇したこと、それにより胎盤が役目を早めに終えようと動いたこと、予定日が過ぎ胎盤が疲れてしまったこと等だそうです。)
カンガルーケアは私の顔と赤ちゃんの顔をちょんちょんとつけただけでほんの数秒でした。
陣痛も破水もせず、5分で産んでしまったので、感動はほとんどなく、それよりも生きて産まれてくれてよかったという安心感でした。
麻酔による全身の震えが止まらず、赤ちゃんをすぐに抱けず、その日の夕方にやっと我が子を見ることができました。
その時娘は目が見えてないのに私を探すように強く視線をくれました。そこで初めて最初の感動が沸き起こりました。
涙が出て愛おしく思いました。
◇帝王切開を終えての気持ち◇
陣痛も破水も知らないけど帝王切開のおかげで親になり、命をつなぐことができました。変な話、帝王切開が大好きになりました。そのくらいこの方法に感謝しています。
傷はすでにケロイド化してしっかり残りましたが、おばあちゃんになってからも娘が開けた扉として出産の跡が残るなんてなんだか嬉しいです。傷すらも愛おしく思えています。
傷は横切りでパンツの中に収まる位置なのでビキニも着れます!
思い描いていた出産ではなかったのですが、真の主人公は赤ちゃんだから赤ちゃんが快適かどうかでこれからも判断してゆこうと心に決めた経験となりました。